香港の投資移民制度は、資本投資者入境計画Capital Investment Entrant Scheme(CIES)という名称で、2003年10月に海外からの投資促進を目的として導入されました。
申請者数は、2012年:6,505人 2013年:9,227人
申請者の97%が中国本土出身者で、2013年度に申込が大幅の伸びたのは、基準となる投資金額が引き上げられるのではないかという情報があったためです。
2013年までの10年間で、申請者数は、3万5,719人 実際の受け入れ数は、2万649人
投資された金額は、1,673億香港ドル、1人当たりの平均投資額は、810万香港ドルです。
▼制度の規定
2003年の開始当初は、
投資基準:650万香港ドル以上 投資対象:不動産・金融資産
投資者に対して、香港の居住権が認められていました。
その後、2010年10月14日付けで、
投資基準:1,000万香港ドル以上 投資対象:金融資産(不動産が除外)
と変更になっています。
居住権は、2年間有効のもので、2年ごとに更新をする形で、香港に7年間居住すると、永久ID=永住権を取得することが可能となります。
(各数字は「香港経済日報」など参照・引用)
▼リタイア後は「香港から移住」4割超
マスミューチュアル生命と香港大学民意研究計画が、20歳から55歳の香港市民約500人を対象に実施した老後の生活に関する意識調査の結果で、4割超が、台湾や中国の小都市への移住を検討しており、理由としては、1位:インフレ、2位:健康状態、3位:長生きによるリスクとされています。
世界一家賃相場が高く、近年インフレが年4%で進んでいる香港。7人に1人が金融資産1億円以上を保有している一方で、最低時給が30香港ドルと持たざる者は、生活環境が厳しいと感じている表れでしょうか。
2012年時点で、資本投資者入境計画での香港居住が7年間を超えた有資格者380人のうち、実際に永住権を取得したのは190人。この割合でいくと、7年後には、約1万人が永住権を取得することになります。
香港政府が今後、資本投資者入境計画を他の滞在権制度と兼ね合いで変更していくか注目しています。