物の価格は上昇しない!先進国でどんどんジリ貧になるメーカー

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なぜこれから先に物の価格は上昇しないのか?

一言で言えば、いわゆる工業生産品に関しては、世界のトータルの需要よりも供給体制が圧倒的に大きいからだ。

完全な供給過剰の状態に常に発生している。

既に製造業、工場が多すぎるのだ。設備が大幅に余っている現状もある。

これまで世の中の物づくりをしてきた企業は、大きな設備投資をし、人を雇用し続けて来たため、お金を回し続けなければならない。

そのためにはコストが合わなくても、会社そのものの運営を行うために、製品を作り続けることを行なってしまう。

画期的な新製品がでても、すぐにそれはコピーされ、同じような商品が市場に出まわる。たとえば、米国アップル社がiPhoneやiPadを世の中に送り出し、大ヒットさせた途端。。各社が似たようなコンセプトの製品を世に送り出し、市場を飽和させる。

結果的に、一つの商品の中での価格競争が起こるスパンが、製品が生み出されてから非常に短い期間で起こるようになる。

付加価値の低い製品を作る製造業は全く儲からない構造に陥っている。

そんな中で、同じ製造業の競争の中で、人件費、生産コストの安い新興諸国と、先進国との間で競争が行われれば、先進国には勝てる要素は殆どない。

先進国に残される製造業は、本当に付加価値の高い製品だけになる。

しかし、新興諸国の技術の進化は非常に早く、付加価値の高いほとんどの製品が新興諸国でも作れるようになってきている。

また、今中国本土の製造メーカーがそうしているように、リストラされて外に放り出さされた企業戦士たちを、積極的に高待遇で雇用し続けている。

資本は新興国諸外国でありながら、実働は日本人・・・こういう図式も成り立ってしまうのだ。ただし、こういう形で新興諸外国に勤務できる日本人労働者も、もともと中国で駐在員として働いていたり・・・などの背景ありきなのだが。

結果的にこれからの未来を俯瞰したとき、先進諸国の工業自体が成り立たず、そこに多くの雇用は発生していかないという推測が成り立つのだ。

先進国でどんどんジリ貧になるメーカー



先進国と新興国の間では大きな所得格差がある。

仮に先進国の年間平均所得が360万円だとして、新興国の年間平均所得が100万円程度だとする。

新興国の中でも発展途上の国々では年間平均所得が30万円程度といったところだろうか?

製品を作る上では、より単純な衣料品などは人の手で作られることが多いが、ほとんど多くの製品が機械がその作業をこなす。

単純労働はより人件費の安い国に移動し、それ以外の製造業も先進国から新興国に移って行く。

更には新興国では、より多くの海外企業を誘致するために、税制面他、様々な優遇措置を取り、海外からの企業進出を加速させている。

それぞれの新興国にぞくぞくと大企業が進出をし続けている。

進出した大企業に、労働者として働く中で、学んだローカルスタッフの人たちが、全てを学び終えた後で、企業から独立し、独自で会社を作り、会社を経営始める。

これらの会社は外資系企業と違い、国の制度をフルに活用して、より低コストで会社の運営ができるので、最初は大企業の下請けとしてスタートをしたレベルの企業でも、国の後押しも手伝って、独自ブランドも展開できるようになる。

ここから本格的な価格競争が始まるわけだ。

たとえば、トヨタなどの大企業が、なぜ年間数千億円単位のコスト引き下げができているのか?

僕たち「生涯収入5億円倶楽部」のメンバーとしては、このことを改めて考えてみる必要がある。

常に改善を繰り返し、企業努力をしていることにも理由はあるが、下請けに対しての仕入価格の引下げを常に行なっていることが大きな理由である。

仮にトヨタが希望する価格で納品できなければ、その価格で納品できる先に仕事はすべて奪われてしまう。

常に下請けの中小企業が泣かされている現実があるのだ。

結果、日本国内で生産していたのではとてもコストが合わず、生産コストの安い海外に工場は移転せざるを得ない。

希望する希望しないに関わらず、トヨタが海外進出すれば、納品をし続けるために、そこについていくしか選択肢が無い。

しかし移転をしたとしても、外国人経営の工場に比べ、ローカルがそこから独立して企業した工場のほうがコストが安く、最終的にはすべて取られてしまう。

更にはそれらのローカル工場も、お互いに競合し合い、価格競争は続き、製品の価格も、部品の価格も下がり続けるのだ。

結果的に、付加価値の高い最終生産品を持っているメーカーはより強くなり、それ以外の会社は完成品を作る会社も、そこに部品を納品する会社も儲からないという構造に陥る。

さらに言えば、それだけの競争が既に出来上がっている中、人件費コストが高く、様々な縛りのある先進国で、製造業という産業自体、新たな人を大きく雇用する理由など何処にも無いのだ。

産業革命以来、先進国で多くの雇用を生み出し続けてきた製造業が、先進国では成り立ちにくくなっている現実。

農業、サービス業に比較して、より高い所得を生み出してきた製造業という巨大な産業が先進国で成り立たない事実がある。。

これを僕たち「生涯収入5億円倶楽部」メンバーひとりひとり、もっと深く考える必要があるのだ。

自分たちの次の世代に、この事実を理解させ、今後どのような仕事につかせるのか?どんなスキルを学ばせるべきなのか?

これを深く僕たちみんなで考える必要があるのだ。

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